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この記事は2014.04.20 Sundayに書かれたものです。
 こんにちは!
スタッフの柳田です!

書き終わった後に見直して感じましたが、
非常に文章がながくなっております。
最後に比較の動画もございますので、よろしければ最後までおつきあい頂けましたら幸いです。

それでは!
本日はこちら!


YAMAHA CP4


なぜ今になってCP4の特集なのかといいますと・・・

このCP4に内蔵されているエレピのサウンドには
実はすごいこだわりが込められていることを知ったからなのです。


それでは早速見ていきましょう。

CP4にはそれぞれ

Rhodesで5機種
Wurlitzer で2機種 のサウンドが内蔵されているのですが、
このサウンドが機種別の特徴をよく捉えているので非常に興味深いです。

まずはRhodesのサウンドから

Rhodesのサウンドは
・71Rd I
・73Rd I
・75Rd I
・78Rd II
・Dyno

この5種類のサウンドが入っています。


・71Rd I
このサウンドは
おそらく、まだFender期の初期に作成された
Fender Rhodes Silver Topのサウンドがモチーフとなっているのではないかと思います。
特徴的なのは中音域のやや低音域よりの部分、Rhodesにとって一番おいしい部分の音の中に
かすかに金属が共鳴するような音がすること。
さらに高音域の歪みがピックアップの歪みではなく、オーバードライブがかかったようなギターに似た歪みである部分。
さらに、かすかに入っているアクションノイズにLidが共鳴するような音が入っているのですが、
このサウンドが他のプリセットのサウンドとは異なり、やや金属が共鳴するような高くて固いサウンドになっているところです。

Silver Top はトーンバーの形状が異なるため、そしてフェルトハンマーを採用しているため、それ以降のゴムチップを使用したRhodesに比べ、倍音成分が多く発振するのが特徴です。
この増えた倍音成分こそがTineとトーンバーという金属同士が共鳴するような音なのです。
また、Silver Topは50Wのモノラル回路のアンプを搭載しております。
それ以降が80Wのステレオ、100Wのステレオ と許容量が大きくなるにつれてサウンドがクリアになっていきますが、クリアにしていくことになった一番の要因が
この「アンプのオーバードライブ」をいかになくすのか といった悩みがあったからだといわれています。
50Wという小さなワット数で他のRhodesと同じだけの音声量をコントロールするのですから、
アンプが歪んで当然といえば当然なのですが、この特徴もよく押さえられていると思います。

そして最後にLidの歪み。
これはSilver Topとそれ以降のRhodesにおけるLidの材質の違いが大きく関わっています。
RhodesのブラックのLidはプラスチックをメインとした材質によって作られているのですが、
Silver Topはガラス繊維が組み込まれたグラスファイバーのような材質で作られており、
たたいた時の音もどこか高くて固い音が鳴るのが特徴的です。
もちろん、この音が共鳴の際にピックアップに伝わり、かすかにアクションノイズとして耳に届くのですが、まさにこの音!といった感じのサウンドが聞こえてきました。
Silver Topの特徴、よくつかんでいます。



続いて
・73Rd I

このサウンドはおそらく
Fender RhodesのブラックトップモデルからRhodes Mark1の初期までに採用されていた3Knobのプリアンプのサウンドなのではないかと思います。

特徴としては
アタック音がはっきりと聞こえてくるのですが、全体的に倍音成分が多いというサウンドです。
これはこの後のサウンドと比較しないとなかなか難しいのですが、
特徴ははっきりと押さえていると思います。

アタック音がはっきりとしたサウンドの特徴はハンマーチップの形状に秘密があります。
3KnobプリアンプのRhodesには打面の広い四角形のハンマーチップが採用されています。
この広い打面でTineを叩くことでアタックの音量が大きく出るのが特徴でもあります。

また倍音成分が多いサウンドはパワーアンプの特性に秘密があります。
この時期のRhodesのパワーアンプにはゲルマニウムトランジスタが採用されております。
このトランジスタが音を太くしてくれる特性を持っており、
このアンプを通していくことでアタック音が強かったサウンドを太くする、倍音を足していくことができるのです。
全体的にこもりがちではありますが、アタック音の強さでサウンドにハリを持たせる、
3KnobタイプのRhodesのサウンドがしっかりと再現されています。





続いては
・75Rd I

この音色はSlide Typeのプリアンプを搭載したMark1のサウンドなのではないかと思います。

サウンドの特徴は
突出したアタック音や倍音がなく、全体的にまとまりのあるサウンドでありながら、一度発した倍音が長く続いていく、
言い方を変えるとアタック時のサウンドを保ったままサスティーンが広がっていくのが特徴です。

このSlide TypeのプリアンプのRhodesの特徴の一つがハンマーチップの形状の変化です。
これまでのさいころ型の形状から
打面の面積が少ない三角型のハンマーチップに形状が変わったことで
それまで特徴的だったアタック音が若干控えめになり、
その代わりサスティーンが伸びるなかでの音質の変化が少なく、
はじめの音が長く持続するようになりました。
さらに打面が狭くなった分、Tineを叩く力が強くなり、
全体的な音圧に関しても厚みが加わったようなサウンドになります。
一つ前で取り上げた71Rd Iと比較するとそのサウンドの違いが非常に良くわかるのではないかと思います。

Rhodesが世界的にヒットしたモデルがこのSlide TypeのMark1ですので、
この75Rd Iのサウンドはどこかなじみがあり、ある意味で一番Rhodesらしいサウンドなのではないかと思います。

非常に特徴をつかんでいると思います。




続いて、
・78Rd II

こちらは名前の通りRhodes Mk2のサウンドになるのですが、
木製鍵盤/Slide TypeのMark2のサウンドになっているように思います。

Mark2とMark1の一番の違いはピックアップ。
磁石に巻かれているニクロム線の材質が変わり、細いニクロム線になったことで、
よけいな倍音が排除されてすっきりとしたサウンドになっている点、
歪みに関してもMark1のような大きく開いて広がるようなサウンドではなく、
どこか詰まった感じでオーバードライブがかかるようなサウンドになる点がこのピックアップの特徴ですが、
見事に再現されています。
プラグイン音源やステージピアノの音源ではSlide TypeのMark1が採用されることが多い中で、
現在のブラックミュージックで多用されているMark2のサウンドをしっかり再現して搭載されていることが非常にすばらしいと思います。




Rhodesの最後が
・Dyno
これは、Rhodesのカスタム工房として有名なDyno-My-PianoのPro EQのサウンドです。
ここで採用されているRhodesは
歪みの具合とサスティーンの広がりから感じるに、Slide TypeのMk1にDyno-My Pro EQを搭載したモデルが採用されているのではないかと思います。
この音色の特筆すべき点は
しっかりと実機にDyno -Myが搭載された質感を押さえている点です。

Pro EQはシンセサイザーのフィルターのような役割を果たしています。
ある特定の音域をカットし、それ以外のサウンドをブーストする、特にアタック音がよく出る部分を中心にブーストするのがこのEQの特徴です。
そのため、優しく打鍵したとき と 強く打鍵したとき ではブーストされる音域の倍音の量が変わってくるので、音が大きく変化するのです。
DX7以降から今日までのデジタル再現の音色ではDyno-Myのこの特徴を押さえきれていないのが正直な感想なのですが、
このCP4の音色はそこをしっかりと押さえています。
Dyno-Myは優しく弾いた時こそ、いわゆる「Dyno-Myサウンド」が広がりますが、
強く打鍵すると、通常のRhodesのサウンドにDyno-My独特のアタック音が少しプラスされたようなサウンドになります。
さらにピックアップの歪み方も特定倍音がブースとされるEQを通すため、聞こえ方、歪み方にかなりの違いが出てきます。
Dyno-Myの一番の特徴が「打鍵の強さによってサウンドの表情がガラリと変わる点」であることをしっかりと把握していないと、このサウンドには行き着かないのではないかと思います。
その「生の質感」をこの音源はしっかりと再現しているのではないかと思います。



Rhodesの音源で特筆すべき点がもう一つあります。
それは鍵盤タッチのモデル別の違いもしっかりと捉えていることです。
Rhodesはモデルによって鍵盤の構造に若干の違いがあり、
それによって鍵盤の重さ、打鍵した際のアタックする位置、ヴェロシティーの感触など、
その全てにモデル別の特徴があるのですが、
この特徴もしっかりと押さえているため、
Rhodesをよく知っている方が弾いても、音色と鍵盤タッチに大きなギャップがないことに、
驚きを感じました。
こんな細部までこだわっていることは素直にすごいと思います。




続いてWurlitzerの音色を見ていきましょう。

Wurlitzerの音色は全部で2つ。

・69Wr
・77Wr
の二種類です。



・69Wr

Wurlitzerのモデル別の特徴は今までのブログでもあまり触れてきませんでしたが、
私たちがよく耳にするWurlitzerのサウンドには大きく2つのモデルがあります。
・Wurlitzer 145B
・Wurlitzer 200(200A)

この二つです。
ざっくりとした分け方になりますと、
・Wurlitzer 145B=カーペンターズの楽曲で使用されることが多いWurlitzerの音色
・Wurlitzer 200(200A)=ノラ・ジョーンズの楽曲で使用されることが多いWurlitzerの音色

といった感じになります。

そんな中で
この69Wrは Wurlitzer 145Bの音色を再現した珍しい音色となります。
この145B の特徴はTubeを搭載したパワーアンプによる出力であること、
Reedが後の200Seriesのものに比べ薄く、倍音が少ないすっきりとしたサウンドになっていること、
倍音が少ない分、アタックの音がはっきりとしていること、
この3点があげられますが、
どれもしっかりと特徴をつかんでいます。
特にTube出力の質感とアタック音の雰囲気に関しては申し分がありません。
なかなか使う場面が少ない音色ではありますが、
この間精度の145Bのサウンドが搭載されていることが非常に心強いです。




続いて
・77Wr

この音色はWurlitzer 200を再現した音色ではないかと思います。
この200の特徴としてあげられるのが、
厚みのあるReedによってしっかりとした倍音が広がる点、
低音域にいくとReedの振動幅が大きくなり、Wurlitzerでしかならせない歪みが生まれること、
この二点が挙げられます。

特に厚みのある倍音に関しては69Wrの音源と聞きくらべると違いが歴然。
いわゆるウーリーサウンドをしっかりと表現しています。
また、低音域の歪みに関しても200Aではなく、200でしか感じることができなかった、
震えて歪む感覚がしっかりと表現されています。

Wurlitzerの音色に関しては、
Arturia Wurlitzer V や Waldorf Zarenbourg のようなフィジカル・モデリングの音源が完成度が高く、サンプリングの音源は少し聞き劣りするのではないかという意見が最近効かれていたのですが、
Wurlitzer独特のサスティーンが短く、パーカッシブなフレーズを弾きこなしたくなるようなサウンドがCP4にはありました。
まだまだサンプリングの技術も向上していく余地があるのかもしれませんね。



ここまでガッツリと解説をしていきましたが、
弾き比べた動画もご用意しました。
各音色、少々短めのフレーズですが、ぜひその違いをお楽しみください。
最後までおつきあい頂きましてありがとうございました!







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