75年という年は、RhodesがFenderの傘下から抜け、
「FenderRhodes」から「Rhodes」になったばかりの年となります。
この時期のモデルはFenderRhodes時代とほとんど変わらず(パーツはFender期ほぼそのままが使用されてますw)、フェイスパネル部は「3Knob Typeのプリアンプ」、グリルクロスはシルバーで、スピーカーキャビネット部は「Perterson Design」と呼ばれる80W パワーアンプです。
弾き心地ですが、この時期特有の少し粘るような&しっかり押し込むような弾き方を求められる機種です。人によっては「重たい」「弾きづらい」と感じる方もいるかもしれません。
音色は全体的に丸みがあり、緩いビブラートをかけると極上の甘ぁ〜い音色が広がります。強弱でも音量以上に音色の表情が変わるので、これは弾く人によってかなり違いが出そうです。低音はとても太いため、和音をダマで弾くとモコモコしてしまいますので、低音は単音ベースラインやシンプルな和音構成で弾くのがオススメですね。
77年は75年とは違い、FenderRhodes期の不満を解消する改良か進められます。
フェイスパネル部は演奏中でも操作のしやすい「Slideタイプのプリアンプ」へ、グリルクロスはブラックに、スピーカーキャビネット部はよりパワーのある「Janus1」と呼ばれる100W パワーアンプへと変わります。
そして特記すべきはタッチの違い!Rhodesは年代を追うごとにより弾きやすいタッチの追求がなされていきます。タッチの違いが出るのは、鍵盤ハンマーと鍵盤が接する部分(キーブロック)の形状によります。年代によって微妙にその形状が変わっており、Rhodes社が長年研究しながら試行錯誤していることが伺えます。
77年はハンマー側にフェルトがついており、鍵盤側キーブロックは真っ平らな形状。鍵盤を弾くとフェルトの摩擦を少し受けながらハンマーが上がります。75年よりは軽やかですが、77年以降のものよりは弾きごたえのある鍵盤タッチです。
音色は75年よりも音が凝縮されたような感じで、輪郭がくっきりとしていて、芯のあるような音色で、低音の複雑な和音でもそこまで崩れることなく響いてくれ、バランスが良いです。
80年に入るとMark2へと変貌していきます。
「Slideタイプ」のプリアンプ部はそのままに、フェイスパネルは黒くなり、よりシックな装いへ。ハープカバーはフラットになったことで、軽めなシンセサイザーなら上に置いて弾けるようになります。
鍵盤タッチも年々変化しており、Mark1の後期以降(Mark2も含め)になると、ハンマー側にあったフェルトは鍵盤側へ、鍵盤側キーブロックには突起のようなものがついてきます。この突起は「Bump」と言われるもので、この部品で強い打鍵をしなくても勢いよくハンマーが振りあがるようになります。「Bump」の追加によって以前の年代のものよりも断然弾きやすくなり、早いフレーズの曲でも付いてきてくれます。
そしてこの個体は数年間のみ製造されていた「プラスティック鍵盤」。木製鍵盤の際に心配しなければならない湿度の問題もプラスチック鍵盤なので心配いらないのが嬉しいところです。
音色は77年製よりも少し固めで、しっかり前に飛んでくる音ですね。特に高音はキラキラッとしていて印象的。ビブラートのノリも良く、空間系エフェクターをかけ甲斐のある機種だなぁと思います。Mark1とMark2では内部のピックアップが若干違うのでそれも影響しています。
いかがでしたでしょうか?
音色やタッチ感において好みや個人差はかなり出てくるものですので、今回のブログ記事を参考にしていただき、ぜひ店頭にて実際の楽器を試奏してみて、ご自分の中の「これぞ!求めるRhodes!」を探し出してみてください〜♫
Tammy
- 2017.08.18 Friday
- Rhodes(ローズ)